日本学術会議 URSI-C小委員会 第22期 第10回公開研究会の開催報告

テーマ:
「無線通信機器設計のための電磁界シミュレーション技術活用最前線」


1.報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 山ヶ城尚志(兜x士通研究所)

2.日時:2014年3月7日(金) 11:00〜17:00

3.場所:富士通叶崎工場本館(テクノロジーホールおよび第17,18応接室)

4.参加費:無料

5.出席者数:研究会41名 見学会21名

6.ローカルアレンジメント:山ヶ城尚志(兜x士通研究所)

7.研究会テーマ:無線通信機器設計のための電磁界シミュレーション技術活用最前線

8.講演:
  • 11:00〜12:00 テクノロジーホール見学
  • 13:30〜13:40 開会挨拶 守倉正博(京都大学)
  • 13:40〜14:30 特別講演「リフレクトアレーを用いた伝搬特性改善とMIMO伝送への応用」
    澤谷邦男(東北大学)
  • 14:30〜15:20 「非接触電力伝送問題への電磁界シミュレータの効果的な適用方法」
    安永高志(潟Gーイーティー)
  • 15:20〜15:35 休憩(15分)
  • 15:35〜16:15 「医療ICTにおけるSAR評価対策と人体通信への応用」
    染野かおる(PTT梶j
  • 16:15〜17:00 「設計上流でのEMC設計作り込みの実践事例紹介」
    佐藤敏郎(富士通アドバンストテクノロジ梶j

9.懇親会:
 富士通 川崎工場 本館20階ラウンジ(参加者:23名)

10.その他:
 委員会を3月7日(金)12:00〜13:00に富士通 川崎工場本館第19応接室にて開催した.

11.所感:
 スパコンやGPGPUを活用することで電磁界シミュレーション高速化技術は長足の進歩を遂げている.こうした背景を受け製品・サービス開発現場でも電磁界シミュレーションの利用シーンは拡がりを見せている.本公開研究会は最新の電磁界シミュレーション技術が研究・開発の現場でどのように生かされているか、具体的な事例を挙げて解説して頂くことを目的として開催された.
 はじめに東北大学の澤谷先生より各種電磁界シミュレーション手法の概要と長所・欠点についてのレビューがあり,続いて具体的な事例として,不感地帯解消のためのリフレクトアレー活用(澤谷先生),非接触電力伝送(安永様),SAR対策などの人体を含む問題(染野様)および設計上流でのEMC対策(佐藤様)においてどのようにシミュレーションが活用されているかが発表された.
 いずれの事例においてもGPGPUやエンジニアリングクラウドなどの高速化技術が使われており,研究開発の現場においてハードウェアによる高速化技術が必須のものとなりつつあることが実感できた.また解こうとする問題によってどのようなシミュレーション手法,モデル化を行うべきかについて活発な議論おこなわれ,電磁界シミュレーション活用について見識を高めるうえで有意義なものであった.


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