日本学術会議 URSI-C小委員会 第22期 第7回公開研究会の開催報告

テーマ:
「無線通信集積回路設計のためのシミュレーション技術」


1.報告者:日本学術会議URSI-C委員会 委員 伊藤信之(岡山県立大学)

2.日時:2013年7月5日(金)12:30〜16:30

3.場所:東芝科学館2階 Bホール

4.参加費:無料

5.出席者数:38名

6.ローカルアレンジメント:伊藤信之(岡山県立大学)

7.研究会テーマ:「無線通信集積回路設計のためのシミュレーション技術」

8.科学館見学および講演:
 それぞれ60分および講演者一人あたり40分(質疑応答含)
  • 12:30〜13:30 東芝科学館見学会(参加者:34名)
  • 13:30〜13:40 開会挨拶 守倉正博(京都大学)
  • 13:40〜14:20 「プロセスバラツキを含めたMOSFETの高周波モデリング」 吉富貞幸(東芝)
  • 14:20〜15:00 「Challenges and Solutions for RFIC Realization」 菅谷英彦(日本ケイデンス)
  • 15:00〜15:10 休憩(10分)
  • 15:10〜15:50 「Methodology for substrate coupling analysis with high frequency accuracy」 Sotiris Bantas(Helic Inc)
  • 15:50〜16:30 「RFトランシーバ回路のビヘイビア化技術」 菊池 崇弘(アジレント・テクノロジー)

9.懇親会:
 川崎市 祭ぼし(参加者:21名)

10.その他:
 委員会を7月5日(金) 11:000〜11:50,(株)東芝マイクロエレクトロニクスセンター半導体システム技術センター分室にて実施

11.所感:
 この20年間の携帯電話を中心とする,パーソナルな無線通信の発展はめざましいものがある.その中で電子部品としての中心を担ってきたのは,無線通信用半導体集積回路であり,とりわけシリコン半導体集積回路である.しかしながら,シリコン半導体は化合物半導体と異なり,MOSFETの高周波特性・シリコン基板の導電性等多くの問題を包含しており,さらに高集積化,ディジタル回路との1チップ化等多くの課題を克服してきた.そのような技術開発の中でモデリング技術,シミュレーション技術は基盤技術として無線通信用半導体集積回路の発展を支え,更に今後も発展すると考えられる.
 今回は「無線通信集積回路設計のためのシミュレーション技術」をテーマに,デバイスモデリングからシステム設計技術に至る全ての階層を網羅する講演が行われ,活発な議論が展開された.具体的には,シミュレーション技術の基盤となる,プロセスバラツキを含めたMOSFETの高周波モデリング技術,RFICの回路設計を支える回路シミュレーション技術,高集積化する上で課題となる基板雑音等の解析技術,個別回路だけでは無くトランシーバとしてシステム検証を行うためのビヘイビアモデリング技術等であった.
 研究会を通して,活発な意見交換がなされ,多くの参加者がシリコン半導体集積回路を実現するためのシミュレーション技術の重要性に触れ,理解を深めることができたと考えられる.


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