日本学術会議 URSI-C小委員会 第23期 第4回公開研究会の開催報告

テーマ:
「ワイヤレス給電 温故知新」


1.報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 委員 日景 隆(北海道大学)

2.日時:2015年12月4日(金) 12:00〜16:00

3.場所:京都大学 東京オフィス(東京都港区)

4.参加費:無料

5.出席者数:48名

6.ローカルアレンジメント:篠原 真毅 委員(京都大学)

7.研究会テーマ:「ワイヤレス給電 温故知新」

8.講演
  • 12:00〜12:05 開会挨拶 委員長 菊間 信良(名古屋工業大学)
  • 12:05〜12:45 「ワイヤレス給電──伝送効率と伝送電力」
    松木 英敏(東北大学)
  • 12:45〜13:25 「Inductive Power TransferからInduct Power Supplyへ」
    橋 俊輔(早稲田大学)
  • 13:25〜14:05 「私のアンテナ研究を振り返って」
    伊藤 精彦(北海道大学 名誉教授)
  • 14:05〜14:20 休憩(15分)
  • 14:20〜15:00 「マイクロ波電力伝送によるデモンストレーション実験の昔話」
    藤野 義之(東洋大学)
  • 15:00〜16:00 特別講演「URSI、電波科学そして宇宙太陽発電」
    松本 紘(理化学研究所 理事長、京都大学名誉教授)
  • 16:00 閉会

9.懇親会:
 品川インターシティ内 参加者:14名

10.その他:
 委員会を12月4日(月)11:00〜11:30に京都大学 東京オフィス会議室で実施.

11.所感:
 今回は第23期第4回公開研究会である。2007年のMIT研究者らによる磁気共振送電の提唱を契機にワイヤレス給電の研究開発が活発化したが、ワイヤレス給電研究の歴史はずっと古く、マイクロ波送電や電磁誘導の研究は50年以上前から行なわれていた。本研究会では、磁気共振送電以前のワイヤレス給電研究に焦点をあて、当時の研究開発状況を知ることで現在そしてこれからの研究開発に役立てることを目的に、特別講演1件をふくむ5件の講演が実施された。
 講演では、電磁誘導方式のワイヤレス給電装置開発の歴史および伝送効率(東北大学 松木先生)、移動機器を対象としたワイヤレス給電システム開発(早稲田大学 高橋先生)、高効率受電アンテナ開発の歴史(北海道大学名誉教授 伊藤先生)、マイクロ波電力伝送のデモンストレーション実験(東洋大学 藤野先生)等、ワイヤレス給電に関する幅広い内容について研究開発の歴史と最新の技術動向が紹介された。  さらに特別講演では、理化学研究所 理事長の松本先生より、URSIの歴史、京都大学における電波科学の歩みおよび宇宙太陽発電(SPS)研究の歴史および開発動向が紹介された。
 電波科学の研究者、技術者にとって、今後の研究開発の進め方を考える上で有意義な場となったと思われる。



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