1. 報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 委員 大久保 賢祐(岡山県立大学)
2. 日時:2025年5月9日(金) 13:35〜16:40
3. 場所:「ゆめりあ」会議室
山形県新庄市多門町1-2 Tel.: 0233-28-8888
WEB会議形式とのハイブリッド開催
4. 参加費:無料
5. 出席者数:現地19名,オンライン9名,懇親会18名
6. テクニカルアレンジメント:大久保 賢祐(岡山県立大学)
7. ローカルアレンジメント:佐藤 潤二(パナソニック)
8.研究会テーマ:「無線電力伝送技術の最新動向」
9.講演
日本学術会議 URSI-C小委員会 第26期 第5回公開研究会の開催報告
テーマ:
「無線電力伝送技術の最新動向」
- 13:35〜13:40 開会挨拶
委員長 藤元 美俊 (福井大学)
- 13:40〜14:20 「マイクロ波電力伝送の社会実装に向けたレクテナの研究開発」
坂井 尚貴(金沢工業大学) - 14:20〜15:00 「函館高専学生・教員によるワイヤレス電力伝送の研究と取り組みについて
〜氷雪上走行中ワイヤレス給電、マイクロ波融雪、八木宇田レクテナ
アレー〜」
丸山珠美(広島工業大学)
- 15:00〜15:15 休憩(15分)
- 15:15〜15:55 「WPTコンテストの狙いと活動内容について
〜WPTを愛する人々の拡大に向けて〜」
江頭直人((株)モバイルテクノ)
- 15:55〜16:35 「電波技術を活用した大学発ベンチャーとして目指す
『充電』を誰も意識しない社会」
阿部晋士((株)パワーウェーブ)
- 16:35〜16:40 閉会
- 20:30頃〜 イブニングセッション
「ワイヤレス給電の表と裏 - 研究と実用化と標準化のはざまで - 」
篠原真毅(京都大学)
10. 懇親会
時間:18:30〜20:30
場所:ゆめみの宿 観松館,山形県最上町 瀬見温泉,TEL:0233-42-2311
参加者:18名
11. その他
役員会を5月10日(土曜) 8:30〜9:10にゆめみの宿 観松館にて,オンラインとハイブリッドで実施.
12. 所感
無線電力伝送(WPT: Wireless Power Transfer)技術は近年,応用範囲の拡大とともに研究開発が急速に進展し,エネルギー供給の新たな可能性を切り拓いている.本公開研究会では,WPT技術の最前線を俯瞰するとともに,産学連携による研究開発,教育現場での取り組み,そして社会実装に向けた挑戦について,多角的な視点から議論を深め実際の技術開発や実証事例を交えながらWPT技術の未来像を探った.
坂井尚貴氏(金沢工業大学)には、マイクロ波電力伝送の実用化に向けて金沢工業大学で実施したレクテナの研究開発を紹介いただいた。大電力レクテナ高効率化に関して、整流回路の線形回路部の機能をすべてアンテナで実現する構造(DoA構造)や、大電力整流動作を可能とするダイオード(GAD)の説明があった。微小電力レクテナの技術開発では、ループアンテナとダイオードの共振現象による高アンテナインピーダンス化、およびGADの低閾値化による高感度レクテナについて話があった。最後にこれら技術を準ミリ波帯レクテナへ適用するためのワイヤーループアンテナ構造について解説された。
丸山珠美氏(広島工業大学)には、磁界結合による両側同時給電の実験中に観察された興味深い現象や、八木・宇田アンテナから発想を応用して実現した複数LEDの同時給電など、高専の学生と取り組まれたワイヤレス電力伝送実験についてご報告いただいた。また、北海道ならではのテーマとして、廃線レールを活用したワイヤレス給電やマイクロ波による融雪技術への取り組みについて、研究資金の調達やご苦労された点も含めてご紹介頂いただいた。
江頭直人氏((株)モバイルテクノ)には,電子情報通信学会 無線電力伝送研究専門委員会の下部組織であるコンテスト委員会の活動内容とその狙いについて紹介して頂いた。まず初めに、コンテスト委員会の概要として設立目的と役割について、次にコンテストを開催してきた効果・影響をについて、発表者の体験を基に説明があった。最後に、これまで開催してきたコンテストの詳細を紹介するとともに、コンテスト開催にあたり運営として意識する点などが述べられた。
阿部晋士氏((株)パワーウェーブ)には、電界結合方式を用いた新しいワイヤレス給電技術の研究開発と、それを起点としたモビリティインフラの革新について紹介して頂いた。大学での基礎研究を起源とし、起業によって社会実装を加速させた事例として、搬送ロボットを対象とした導入展開、ならびに国土交通省プロジェクトにおける実証結果や制度整備の進展について述べられた。特に、位置ずれ許容や高効率伝送、薄型構造による設置性など、電界結合方式がもたらす独自の利点を解説しつつ、持続可能なモビリティ社会に貢献する基盤技術としての意義と今後の課題について議論があった。
いずれの講演内容もWPTの実用化・普及に向けて重要な技術であり、本研究会を通じて無線電力伝送技術の最新動向、研究開発に関する方向性や課題を参加者間で共有することができたことは大変有益であった。今後の研究活動や技術応用の一層の進展に向け、本研究会で得られた知見が活かされることを期待する。
時間:18:30〜20:30
場所:ゆめみの宿 観松館,山形県最上町 瀬見温泉,TEL:0233-42-2311
参加者:18名
11. その他
役員会を5月10日(土曜) 8:30〜9:10にゆめみの宿 観松館にて,オンラインとハイブリッドで実施.
12. 所感
無線電力伝送(WPT: Wireless Power Transfer)技術は近年,応用範囲の拡大とともに研究開発が急速に進展し,エネルギー供給の新たな可能性を切り拓いている.本公開研究会では,WPT技術の最前線を俯瞰するとともに,産学連携による研究開発,教育現場での取り組み,そして社会実装に向けた挑戦について,多角的な視点から議論を深め実際の技術開発や実証事例を交えながらWPT技術の未来像を探った.
坂井尚貴氏(金沢工業大学)には、マイクロ波電力伝送の実用化に向けて金沢工業大学で実施したレクテナの研究開発を紹介いただいた。大電力レクテナ高効率化に関して、整流回路の線形回路部の機能をすべてアンテナで実現する構造(DoA構造)や、大電力整流動作を可能とするダイオード(GAD)の説明があった。微小電力レクテナの技術開発では、ループアンテナとダイオードの共振現象による高アンテナインピーダンス化、およびGADの低閾値化による高感度レクテナについて話があった。最後にこれら技術を準ミリ波帯レクテナへ適用するためのワイヤーループアンテナ構造について解説された。
丸山珠美氏(広島工業大学)には、磁界結合による両側同時給電の実験中に観察された興味深い現象や、八木・宇田アンテナから発想を応用して実現した複数LEDの同時給電など、高専の学生と取り組まれたワイヤレス電力伝送実験についてご報告いただいた。また、北海道ならではのテーマとして、廃線レールを活用したワイヤレス給電やマイクロ波による融雪技術への取り組みについて、研究資金の調達やご苦労された点も含めてご紹介頂いただいた。
江頭直人氏((株)モバイルテクノ)には,電子情報通信学会 無線電力伝送研究専門委員会の下部組織であるコンテスト委員会の活動内容とその狙いについて紹介して頂いた。まず初めに、コンテスト委員会の概要として設立目的と役割について、次にコンテストを開催してきた効果・影響をについて、発表者の体験を基に説明があった。最後に、これまで開催してきたコンテストの詳細を紹介するとともに、コンテスト開催にあたり運営として意識する点などが述べられた。
阿部晋士氏((株)パワーウェーブ)には、電界結合方式を用いた新しいワイヤレス給電技術の研究開発と、それを起点としたモビリティインフラの革新について紹介して頂いた。大学での基礎研究を起源とし、起業によって社会実装を加速させた事例として、搬送ロボットを対象とした導入展開、ならびに国土交通省プロジェクトにおける実証結果や制度整備の進展について述べられた。特に、位置ずれ許容や高効率伝送、薄型構造による設置性など、電界結合方式がもたらす独自の利点を解説しつつ、持続可能なモビリティ社会に貢献する基盤技術としての意義と今後の課題について議論があった。
いずれの講演内容もWPTの実用化・普及に向けて重要な技術であり、本研究会を通じて無線電力伝送技術の最新動向、研究開発に関する方向性や課題を参加者間で共有することができたことは大変有益であった。今後の研究活動や技術応用の一層の進展に向け、本研究会で得られた知見が活かされることを期待する。
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