日本学術会議 URSI-C小委員会 第23期 第5回公開研究会の開催報告

テーマ:
「低消費電力および高性能無線回路技術」


1.報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 委員 藤本 竜一(東芝)

2.日時:2016年3月14日(月) 14:00〜17:00

3.場所:唐津市市民交流プラザ 多目的ホール
 (佐賀県唐津市南城内1番地1大手口センタービル3階)

4.参加費:無料

5.出席者数:18名

6.ローカルアレンジメント:藤本 竜一(東芝)

7.研究会テーマ:「低消費電力および高性能無線回路技術」

8.講演
  • 14:00〜14:10 開会挨拶 委員長 菊間 信良(名古屋工業大学)
  • 14:10〜14:55 「高周波領域におけるLC共振器の特性改善とそれを用いた電圧制御発振器の特性」
    伊藤信之(岡山県立大学)
  • 14:55〜15:40 「ワイヤレスBMIに向けた低消費電力アナログRF回路・フレキシブルデバイス技術」
    秋田一平(豊橋技術科学大学)
  • 15:40〜16:00 休憩(20分)
  • 16:00〜16:45 「医療用超低電力無線トランシーバ」
    桝井昇一(富士通研究所)
  • 16:45〜16:55 次回予定等のご案内
  • 17:00 閉会

9.懇親会:
 唐津ロイヤルホテル (佐賀県唐津市東唐津4-9-20)
 参加者:16名

10.ナイトセッション:
「Bluetooth Smart向けSoCにおける低消費電力化技術」,藤本竜一(東芝)
 ナイトセッションを3月14日(月)21:15〜22:00に唐津ロイヤルホテルにて実施.

11.その他:
 委員会を3月14日(月)20:45〜21:15に唐津ロイヤルホテルにて実施.

12.所感:
 今回は第23期第5回公開研究会である。昨今のIoTやIoEに大きな話題となっており、これらを実現する無線通信技術として低消費電力の無線通信システムが注目を浴びている。今回の公開研究会では、低消費電力無線に関連する3件の講演を行った。
 1件目の講演は、伊藤先生(岡山県立大学)に無線通信機器に不可欠な発振器のLC共振回路の高性能化に関してご講演いただいた。可変容量の最適設計やストライプ形状のインダクタに関してご紹介いただいた。2件目の講演は、秋田先生(豊橋技科大)にBMIの現状やそれに用いる低消費電力の無線通信用回路に関してご講演いただいた。また、BMIの無線化際したフレキシブルデバイスの重要性に関してもご紹介いただいた。3件目は、桝井氏(富士通研)より、医療用の超低電力無線トランシーバに関してご講演いただいた。IEEE802.15.6に準拠した独自規格のトランシーバを40nm-CMOSで試作し、受信時3.5mW、送信時3.0mWの超低消費電力を実現している。
 ナイトセッションでは藤本(東芝)より、Bluetooth Low Energy用のSoCの現状と今後の課題に関して紹介した。日本の半導体産業の在り方や将来の展望など、幅広い話題に関して率直な意見交換が行われ、誠に有意義であった。
 公開研究会、ナイトセッションともに電波科学の研究者、技術者にとって、今後の研究開発の進め方を考える上で有意義な場となったと思われる。



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