日本学術会議 URSI-C小委員会 第25期 第5回公開研究会の開催報告

テーマ:
「Beyond 5Gおよび6Gに向けた衛星・HAPS利用の動向」


1. 報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 委員 眞田幸俊(慶應義塾大学)

2. 日時:2023年1月6日(金) 13:15〜17:00

3. 場所:米子市文化ホール研修室1
〒683-0043 鳥取県米子市末広町293番地
WEB会議形式とのハイブリッド開催

4. 参加費:無料

5. 出席者数:会場19名,オンライン27名

6. ローカルアレンジメント:眞田幸俊(慶應義塾大学)

7.研究会テーマ:「Beyond 5Gおよび6Gに向けた衛星・HAPS利用の動向」

8.講演
  • 13:00〜13:15 受付
  • 13:15〜13:20 開会挨拶
    委員長 末松憲治(東北大学)
  • 13:20〜14:00 「Beyond 5Gおよび6Gに向けたNTNにおける衛星利用の動向」 土谷 牧夫(NICT)
  • 14:00〜14:40 「古くて新しいHAPS」
    辻 宏之(NICT)
  • 14:40〜14:50 休憩(10分)
  • 14:50〜15:30 「将来のNTN展開に向けたスカパーJSATの取組みについて」
    瀬戸口 喜幸(スカパーJSAT)
  • 15:30〜16:10 「Beyond 5Gおよび6Gに向けた衛星開発の動向」
    井上 聡一郎(アクセルスペース)
  • 16:10〜16:50 「IFCサービスのためのバックホール回線接続課題と回線多様化への
    取組み」
    外山隆行(パナソニックホールディングス)
  • 16:50閉会

9. 懇親会
 時間:19:30〜21:00
 場所:懇親会(皆生グランドホテル天水)
 参加者:19名

10. その他
 役員会を1月7日(土曜) 08:30〜09:30に皆生グランドホテル天水にて実施

11. 所感
 Beyond 5Gや6Gでは災害非常時だけでなく通常時にもカバレッジの拡張のために,衛星・HAPSに基地局や中継局を搭載して利用することが検討されている.これらの空飛ぶ基地局は地理的制約を受けず,山間・僻地,海上,宇宙空間までをエリアカバーすることができる.一方で地上とは異なった伝搬特性,地上ネットワーク系との連携,空間分割のためのビーム制御などの独自の研究開発課題が存在する.本研究会では,衛星・HAPSなどのセルラーネットワーク利用に焦点を当て,第一線で活躍する研究者・技術者が一堂に会し,世界的な実用化開発の取り組みやその標準化動向について,講演・質疑応答を中心として深く議論し,今後の見通しに対する共通理解を深めた.
 土谷牧夫氏(情報通信研究機構)は世界的なNon-Terrestrial Networkの研究開発動向について講演した.そして衛星,HAPS,UAVのそれぞれの無線通信ネットワーク利用検討状況を紹介した.
 辻宏之氏(情報通信研究機構)はHAPSに関して,そのメリット,開発動向などについて紹介した.そしてNICTにおけるHAPSによる無線通信,光通信のための技術開発に関して説明し,実用化への課題についてまとめた.
 瀬戸口喜幸氏(スカパーJSAT)はNTNへの期待やスカパーJSAT社におけるNTN実現への取り組みについて講演した.そして同社の実証実験の内容について紹介した.
 井上 聡一郎氏(アクセルスペース)はアクセルスペース社が開発してきた衛星システムについて紹介した.またAxelLinerと呼ばれる同社の低コストかつ短納期な衛星プラットフォームについて説明した.
 外山隆行氏(パナソニックホールディングス)はパナソニックホールディングス社のアビオニクス事業について紹介した.また機内ネット接続のマーケットならびに今後必要とされる技術について講演した.
 いずれも最新の研究開発ならびに標準化の動向であり,NTNの商用展開において解決すべき課題および今後の展望について深く議論が及んだ.本研究会はBeyond 5Gおよび6Gに向けた衛星・HAPS利用について,その特有の課題を参加者と共有することができ大変有益であった.




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