日本学術会議 URSI-C小委員会 第25期 第2回公開研究会の開催報告

テーマ:
「マシンタイプ通信システムの動向」


1. 報告者:日本学術会議URSI-C小委員会 委員 眞田幸俊(慶應義塾大学)

2. 日時:2022年1月7日(金) 13:20〜17:00

3. 場所:みのお山荘風の杜多目的室(WEB会議形式とのハイブリッド開催)
(〒562-0001 大阪府箕面市箕面2-14-71)

4. 参加費:無料

5. 出席者数:現地:15名,オンライン:10名

6. ローカルアレンジメント:眞田幸俊(慶應義塾大学)

7.研究会テーマ:「マシンタイプ通信システムの動向」

8.講演
  • 13:20〜13:30 開会挨拶
    委員長 末松 憲治(東北大学)
  • 13:30〜14:15 「Flexible Factory Project - 製造現場での安定した無線通信を目指して - 」 板谷聡子(情報通信研究機構)
  • 14:15〜15:00 「スマートファクトリー向けローカル5Gシステムの現状と今後〜ポスト5G半導
    体開発に向けて〜」
    池田博樹(エイビット)
  • 15:00〜15:15 休憩
  • 15:15〜16:00 「5Gおよび6Gへのユースケースに向けた取り組みについて」
    油川雄司(NTTドコモ)
  • 16:00〜16:45 「3GPPにおけるIndustrial IoT/URLLCの標準化動向」
    山本哲矢(パナソニック)
  • 16:45閉会

9. 懇親会
 時間:18:30〜20:30
 場所:みのお山荘風の杜もみじ
 参加者:13名

10. その他
 役員会を1月8日(土曜)08:30〜09:30に,みのお山荘風の杜あけび室にて実施

11. 所感
 近年産業機器間や自動運転車などマシンとマシンを直接ワイヤレスで接続する技術が注目を浴びている.5Gや無線LANなどでもマシンタイプ通信を目的とした標準化や技術開発が行われている.マシンタイプ通信は高データレート通信と異なり,高信頼性,ジッタ特性やコスト,低消費電力性などが重要な指標となる.本研究会では、マシンタイプ通信の研究分野の第一線で活躍する研究者・技術者が一堂に会し、産業応用に向けた実用化開発の取り組みやその標準化動向について,講演・質疑応答を中心として深く議論し,今後の見通しに対する共通理解を深めた.
 板谷聡子氏(情報通信研究機構)は製造現場での無線通信について,製造現場特有の課題や市販の無線機器を用いた場合の問題点について講演した.同時に無線通信を製造現場で使用するためのプロジェクト(Flexible Factory Project)について紹介した.
 池田博樹氏(エイビット)は国産ローカル5Gシステムの紹介とそのスマート工場への適用実験,特に車両基地実験,遠隔作業実験,スタジアム実験,スマートシティ実証実験などについて講演した.また超低遅延向けポスト5G半導体チップの開発について説明した.
 油川雄司氏(NTTドコモ)は5Gのソリューション協創事例について説明した.そして遠隔自動運転,大型建設機械の遠隔操作,遠隔医療,遠隔手術支援などのユースケースへの5G適用実験について紹介した.また6Gの技術発展についても展望を示した.
 山本哲矢氏(パナソニック)は3GPPにおけるIndustrial IoT/URLLCの標準化動向について講演した.各リリースの検討事項,その中でのIndustrial IoT/URLLCの検討状況について説明した.また低遅延を実現する伝送技術とその特性評価結果を紹介した.
 いずれも実用化を見据えた最新の検討結果であり,無線の産業応用において解決すべき課題および今後の展望について深く議論が及んだ.本研究会はマシンタイプ通信が標準化団体で議論の対象となってなっている中で最新実証実験結果を紹介し,その特有の課題を参加者と共有することができ大変有益であった.





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