日本学術会議 URSI-C小委員会 第21期 第5回公開研究会の開催報告
テーマ:
「近距離通信」
1.報告者:日本学術会議URSI-C委員会 委員 大黒 達也(東芝デバイスプロセス開発センター)
2.日時:2009年11月13日(金)11:00〜17:10
3.場所:日本電波工業株式会社 伊豆高原保養所 喜楽荘
4.参加費:無料
5.出席者数:27名
6.ローカルアレンジメント:東芝デバイスプロセス開発センター 大黒 達也
7.研究会テーマ「近距離通信」
8.講演
11:00〜11:10 開会挨拶 伊東健治(金沢工業大学)
11:10〜12:10 「誘導結合を用いたチップ間無線データ通信」 黒田忠広(慶應大学)
12:10〜13:10 「オープンリング共振器結合によるチップ間信号伝送」 大野泰夫(徳島大学)
14:00〜15:00 「ミリ波近接通信用インタフェース」 平塚敏朗(村田製作所)
15:00〜16:00 「小型・高精度基準発振器と次世代移動体通信に向けた RF MEMSの動向」追田武雄(NDK)
16:10〜17:10 「人体近傍電界通信技術と応用」 門勇一(NTT)
9.ナイトセッション(日本電波工業株式会社 伊豆高原保養所 喜楽荘)
21:00〜 「Power ampの今後」 伊藤信之 (東芝セミコンダクター社)
「非対称NMOSによる特性向上」 大黒 達也 (東芝デバイスプロセス開発センター)
「高周波教育―ビジュアル化」 大平孝(豊橋技術科学大学)
10.その他:委員会を11月14日(土)8:00〜9:00に日本電波工業株式会社 伊豆高原保養所 喜楽荘で実施.
11.所感:
今回は「近距離通信」をテーマとして、5つの発表が行われた。ミクロンオーダーで信号をやり取りするチップ間通信、ミリからセンチメートルのオーダーで信号転送を行うミリ波通信、メートルオーダでの人体近傍電界通信、さらには高周波回路の高性能化に向けたRF MEMSについて紹介して頂いた。
最初の御講演のデジタル信号用チップ間通信は、バンド幅の性能としてはTSVと比較して劣るもののwire bondingに比較して圧倒的に高い上、チップ内の配線レイアウトを利用しているので低コスト化が容易、ESD不要のため低消費電力化可能という利点がある。すでに、実用化に近いレベルという印象を受けた。
二番目の共振器結合によるチップ間通信は、例えばミリ波応用の場合、PAはGaAs、信号処理はSiとなれば、高いコストをかけてアッセンブリする必要があるが、チップ間通信で低コスト化を狙った技術である。製品化に低コスト化は必須条件なので、デバイスだけでなく実装技術もKey technologyになっていることが分かる。
三番目の御講演は、ミリ波通信における非接触コネクター技術で、例えば、ビデオからPCへの転送状況とスロットの向きや角度の依存性を検討している。ユーザーの使いやすさを決める重要な技術である。
四番目はRF MEMSの動向と言うことで、最近、注目されている水晶振動子、FBAR等の紹介の他、今後、スイッチがKey playerになると指摘されていた。
最後の御講演では、人体から信号を発進させることで、例えば、セキュリティカードをわざわざ、取り出さなくても板を踏むだけで認識可能にするといったアプリが提案されており、生活上の煩わしさを解決する。
それぞれの御講演に対し、活発な議論がされた。
懇親会後、ナイトセッションを開催し、Power Ampの今後について議論され、主に、Si MOSFETの取り組みについて紹介された。その後は、高周波教育について活発な議論が行われた。
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